厚生年金・国民年金の手続き

年金停止の手続き
年金は本人の死亡によりただちに停止されなければなりません。
(戸籍課に死亡届を出しただけでは、年金は停止されません)
国民年金は『本人の死亡後14日以内』に届け出を行います。
手続きをしないと、本人がまだ生きているとして引き続き支払われてしまう事があります。
その場合、本人の死亡後に受け取った全ての金額を一括して返さなければなりません。
年金を停止するためには、役所や居住地区を管轄する社会保険事務所に年金証書を添えて年金受給者であった者の死亡届や、未払給請求書を提出します。
このとき、故人の年金で遺族がもらう事のできる年金(遺族年金など)があれば切り替えの手続きを行ないます。
【国民年金のみ加入中の人が死亡したとき】
国民年金は、3つに分類されていて、自営業者を『第1号被保険者』
サラリーマンを『第2号被保険者』、サラリーマンの奥さんを『第3号被保険者』としています。
そのなかで、第1号被保険者が亡くなった場合、国民年金からは遺族基礎年金、寡婦年金
死亡一時金のいずれかが支給されますので、どれか1つ選択します。
受給者 故人の年金の未支給分を受給できるのは、次の親族です〔優先順〕。
1. 生計を共にしていた配偶者
2. 子
3. 父母
4. 孫
5. 祖父母
6. 兄弟姉妹
届出先 市区町村役場
必要書類 1. 年金証書
2. 死亡診断書か埋葬許可書
3. 戸籍謄本か戸籍抄本
4. 故人と年金請求者の住民票の写し(世帯全員)など
期間 死亡後14日以内

 
国民年金の遺族基礎年金をもらう手続き
国民年金に加入中、または老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人が亡くなったときは生計を維持されていた子のいる妻や子に、遺族基礎年金が支給されます。
【受給対象となる人】 1. 故人が国民年金に加入してから死亡した月までの間
2. 保険料を納めた期間と免除された期間が、加入期間の3分の2以上あること。
3. @に該当しない場合場合、死亡月の前々月までの1年間に
4. 故人の保険料の未納期間がないこと。
【受給できる人】
故人によって生計を維持していた者で
18歳未満の子(子が1、2級の障害者の場合は20歳未満)がある妻
18歳未満の子(子が1,2級の身障者の場合は20歳未満)
※ 1)子は未婚である事
※ 2)『妻』には内縁の妻も含まれます。
※ 3)父親が死亡したとき胎児だった子供は、生れてから遺族基礎年金の対象となります。
したがって、夫の死亡時に子供がいない妻が妊娠中だった場合は出産後に遺族年金を受けられるようになります。
【受給権を失うとき】 子が18歳を迎えたあと、初めての年度末(3月31日)を迎えた時点で、給付は打ち切られます。

国民年金の遺族基礎年金をもらう手続き
届出先 請求人の住所地の市区役所・町村役場の国民年金課
必要書類 1 .死亡した被保険者と請求者の年金手帳
2. 戸籍謄本(除籍の記載があるもの)
3. 世帯全員の住民票(除籍の記載のあるもの)
4. 死亡診断書のコピーか死亡届記載事項証明書
5. 振込先口座番号
6. 印鑑(朱肉を使用するもの)
7. 課税・非課税証明書など
期間 なるべく早く(死亡から5年以内)

国民年金の寡婦年金をもらう手続き
  死亡した人との婚姻期間が10年以上ある妻(内縁関係も含む)は60〜65歳までのあいだ、寡婦年金を受け取る事ができます。
ただしこれには、被保険者の保険金納付期間(免除期間を含む)が25年以上あることが必要です。
【支給期間は5年間】
支給されるのは、寡婦が60歳になってから65歳になるまでの間の5年間です。
60歳を過ぎてから寡婦年金の受給資格ができても、その時点から65歳までの期間の支給となりたとえば62歳で受給資格を得た場合は65歳までの3年間になるわけです。
年金額は、夫が受ける事のできた老齢基礎年金の4分の3の金額です。
【受給対象となる条件】
受給条件を満たしていないため、遺族基礎年金を受けられない妻
死亡した被保険者である夫が、老齢基礎年金を受ける資格期間を満たしていてまだ老齢基礎年金を受けていない時。
(繰り上げて特別支給を受けている場合は該当しません)または、障害基礎年金を受けていない時。
【受給権を失うとき】
妻が65歳になり、妻自身の老齢基礎年金を受けられるようになると寡婦年金の給付は終わります。
妻が65歳前に繰り上げ支給を受ける場合も、同様に打ち切られます。
届出先 請求人の住所地の市区役所・町村役場の国民年金課
必要書類 1. 死亡した人と請求者の年金手帳
2. 戸籍謄本(除籍の記載があるもの)
3. 住民票(除籍の記載があるもの)
4. 振込先口座番号
5. 印鑑
6. 課税・非課税証明書
期間 なるべく早く(死亡から5年以内)
※注意 寡婦年金が受ける資格があると『死亡一時金』
または『寡婦年金』の一方を選ぶ事になります。2つは受けられません。

国民年金の死亡一時金をもらう手続き
国民年金第1号被保険者が3年以上保険料を納めていて死亡した時以下の条件の遺族に死亡一時金が支給されます。
これは、遺族基礎年金も寡婦年金も受けられない遺族のための給付です。
寡婦年金と死亡一時金では、場合によっては一時金のほうが有利な場合もあります。
たとえば、夫の死後まもなく65歳になる妻の場合、死亡一時金のほうが寡婦年金より有利な事もあるからです。
届出先 請求人の住所地の市区役所・町村役場の国民年金課
必要書類
1. 死亡した人の年金手帳
2. 住民票(除籍の記載があるもの)
3. 振込先口座番号
4. 印鑑
※ 生計が同じでも死亡した人と別居していた場合は、上記のほかに籍謄本が必要です。
期間 なるべく早く(死亡してから2年以内)
【受給対象となる条件】@Aの順です
受給条件を満たしていないため、遺族基礎年金も寡婦年金も受けられない妻と子。
生計を同じくしていた遺族で、夫、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順

厚生年金共済年金の遺族厚生(共)年金をもらう手続き
故人が厚生年金や共済年金に加入していた場合、以下の条件を満たしていれば遺族には遺族厚生年金や遺族共済年金が支給されます。
(遺族厚生年金と遺族共済年金は、手続きにおいてはほぼ同じです)
遺族厚生年金として支払われる金額は、年金の加入期間や扶養家族の数、給与額などで変わってきます。
原則としては、夫が生きていた場合に受け取る事ができた老齢厚生年金または退職共済年金の4分の3の金額となります。
【受給対象となる条件】
厚生年金保険に加入していた本人(被保険者)が在職中に死亡したとき。
厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したのち、加入してたときのケガや病気が原因で初診日から5年以内に死亡したとき。
1級か2級の障害厚生年金を受けている人が死亡したとき。
老齢厚生年金を受けている人か、受ける資格期間を満たしている人が死亡したとき。
【受給できる人】
死亡した人によって生計を立てていた遺族は、次の@〜Dの順序で受給資格があります。
遺族の年齢制限カッコ内は、いずれも故人の死亡当時の年齢です。
1. 配偶者〔夫は55歳以上、妻は年齢制限無し〕。支給は60歳から。
2. 子〔18歳未満、障害者は20歳未満〕
3. 父母〔55歳以上〕支給は60歳から。
4. 孫〔18歳未満、障害者は20歳未満〕
5. 祖父母〔55歳以上〕支給は60歳から。
※上記の子・孫とは、18歳に達した日以後の最初の年度末(3月31日)までの子、孫で婚姻をしていない場合に限られます。
【18歳未満の子がいれば、遺族基礎年金も併せてもらえる】
厚生年金の被保険者は、同時に国民年金にも加入していますから子の年齢によっては遺族基礎年金も併せて受けられます。子供が18歳になり初めての年度末(3月31日)を迎えると、遺族年金はなくなり以後は遺族厚生年金のみとなります。手続きは遺族厚生年金と同時に行ないます。

遺族厚生年金・遺族共済年金をもらう手続き
届出先 死亡した被保険者の勤務先を管轄する社会保険事務所
退職者の場合は住所地を管轄する社会保険事務所
必要書類
事前に請求先にお確かめください。
1. 基礎年金番号通知書
2. 年金証書(年金を受けていた場合)
3. 死亡した被保険者と請求者の年金手帳
4. 戸籍謄本(除籍記載のあるもの)
5. 世帯全員の住民票(除籍記載のあるもの)
6. 死亡診断書のコピーか死亡届記載事項証明書
7. 振込先口座番号
8. 印鑑
9. 課税・非課税証明書

【中高齢寡婦加算】
妻に生計を同じくする18歳未満の子がいなかったり、子がいたとしても18歳の年度末に達すると、遺族基礎年金は支給されません。 しかし、下記条件にあたるとき、40歳から65歳までのあいだ、中高齢課普寡婦加算が受けられます。
※ 平成19年4月から制度が変わります。
◇夫の死亡時、妻が35歳以上で、18歳未満の子供がいないため、遺族基礎年金をもらえない場合。
◇夫が老齢厚生年金や1、2級の障害厚生年金を受給中に死亡し、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある場合。
社会保険事務所が、自動的に手続きしてくれます。